EXIF、IPTC、XMPの違いとGoogleが読む規格

EXIF と IPTC と XMP の違いは、結局のところ二つの問いに行き着きます。誰がそのデータを書いたのか、そして誰がそれを読み返すのか、です。EXIF はカメラが書き込むもので、撮影という行為を記述します。IPTC は人が書き込むもので、所有者が誰かを含め、写真そのものを記述します。XMP は、現代のソフトウェアがそれらを運ぶために使う容器です。
定義よりも、その帰結のほうが重要です。Google は IPTC を読み、EXIF は使いません。写真ソフトが用意している説明欄や著作権欄をきちんと埋めてきたのなら、それを Google が一度も見ていない可能性はかなり高いのです。
EXIF、IPTC、XMP の要点
この三つはたいてい競合として並べられます。実際には、異なる時期に、異なる理由で登場し、異なるソフトウェアに読まれる三つの層、と考えたほうが近いでしょう。
| 規格 | 何のためのものか | 誰が書くか | 誰が読み返すか |
|---|---|---|---|
| EXIF | 撮影という行為。シャッター、レンズ、時刻、GPS 位置 | カメラやスマートフォンが自動で | 写真アプリ、地図ツール、編集ソフト。Google 検索は読みません。 |
| IPTC | 写真を言葉で説明し、所有者が誰かを明示すること | 人が、撮影のあとで | 報道機関の写真部、ストックフォト、そして Google Images |
| XMP | 記述的なメタデータを拡張可能な形式で運ぶこと | 編集ソフトと、現行の IPTC 規格 | プロ向け写真ソフト、および IPTC を運んでいる場合の Google |
ひとつ訂正しておきます。混乱の大半はここから生じるからです。XMP は IPTC と競合する語彙ではありません。XMP は形式であり、現行の IPTC 規格はその形式で書かれています。IPTC と XMP のどちらを使うべきかと問うのは、日本語で書くべきかインクで書くべきかと問うようなものです。自分の写真がどのブロックを持っているかを確認するのは数秒で済みます。
なぜ一枚の写真がメタデータのブロックを一つではなく三つ抱えるのか
三つの規格が存在するのは、三つの業界がおよそ十年ずつ間隔を置いて別々のものを必要とし、そのどれもが前の答えを引退させられなかったからです。
EXIF はカメラメーカーから来ました。 Exchangeable Image File Format は CIPA、すなわち Camera & Imaging Products Association が維持しており、現在は Exif 3.1 です。その役割は、カメラ自身に自分の記録を残させることにあります。露出、焦点距離、タイムスタンプ、GPS 位置です。EXIF の中に、人が手で入力することを想定して設計されたものはありません。
IPTC は報道の世界から来ました。 International Press Telecommunications Council は、通信社の写真がキャプション、撮影者、クレジット、権利表記を伴って流通することを必要としていました。それらを欠いたまま整理部の机に届いた写真は使い物にならないからです。この規格は 2025年11月にバージョン 2025.1 に到達し、AI 生成コンテンツ向けのプロパティを四つ追加しました。つまり過去の遺物ではなく、現役です。
XMP は Adobe から来ました。 ExifTool は Extensible Metadata Platform を 「Adobe が推進している XML/RDF ベースのメタデータ形式」と説明しています。Adobe が2002年に作り、現在は ISO 16684 として維持されています。すべてを文字列として保存し、フィールドを名前空間でまとめるため、固定的な EXIF と違って拡張が効きます。
ExifTool は古いバイナリ形式の IPTC ブロックを 「より古いメタ情報形式で、XMP に取って代わられつつあるもの」と呼んでいます。新しい IPTC Core 仕様は XMP 形式を採用しており、進む方向は定まっています。語彙は IPTC、容器は XMP です。
Google は IPTC を読み、EXIF を無視する
この比較を気にかける価値があるのは、この事実があるからです。しかもそれは Google 自身から出ています。2023年1月の Search Office Hours で、画像が重要なサイトにとって EXIF データはどれほど重要かと問われ、Gary Illyes はこう答えました。
「Google は現時点で EXIF データを何にも使っていません。現在われわれが使っている唯一の画像データ、あるいはメタデータは IPTC です。」
Google の画像ライセンスに関する文書も、逆の方向から同じことを述べています。IPTC の写真メタデータを画像の中に埋め込むよう指示し、抽出するフィールドを名指ししています。Copyright Notice、Creator、Credit Line、Web Statement of Rights、Licensor URL、Digital Source Type です。そのページに EXIF は出てきません。
すべての説明が間違ったブロックに入っている実在のファイル
丁寧に記入された実際の写真では、それはこう現れます。説明、タイトル、キーワードの一覧、名前の入った作者、そして著作権表記です。
この一覧のフィールドはすべて EXIF タグです。ImageDescription、Artist、Copyright は EXIF 仕様に属し、XPTitle と XPKeywords は、ファイルのプロパティ画面にある「タイトル」と「タグ」の欄に入力したときに Windows エクスプローラーが書き込むものです。そこに罠があります。Windows も、多くの一般向け写真ソフトも、説明的なテキストを EXIF に入れます。それらのツールが昔からこのブロックを使ってきたからです。
つまり撮影者の名前も、著作権表記も、キーワードもファイル上にはあるのに、そのどれも IPTC にはありません。クレジットを探す写真部は何も見つけられず、Google はそのいずれも使いません。
三つのうち実際に必要なのはどれか
選ぶ場面はほとんどありません。カメラは頼まなくても EXIF を書き込むので、問題は残る二つのどちらを足すかです。誰に届けたいのかから逆算してください。
- ファイル上の位置情報。 EXIF 一択で、代替はありません。GPS 座標は EXIF ブロックに置かれ、IPTC にそれを置き換えるものはありません。
- 画像が人手を渡っても残るクレジットと著作権。 XMP で書かれた IPTC です。間違ったブロックが実害をもたらすのは、まさにここです。
- ソフトウェアで検索できるキャプションやキーワード。 これも IPTC です。Windows のプロパティ画面で入力したキーワードは EXIF に落ち、そこに留まります。
- 座標ではなく言葉としての地名。 IPTC です。都市、詳細な場所、国の専用フィールドを備えています。
記述フィールドが EXIF に入っていたとわかったら、同じ値を IPTC フィールドにも書き込み、Google が抽出するフィールドを埋めてください。どのタグなら安全に変更できるかは、フィールドごとに 編集できる写真メタデータのタグのガイドで解説しています。
ファイルが自分のパソコンを離れるとどうなるか
三つのブロックはいずれもファイルの内部にあるため、ファイルが存在する限り正確にその間だけ残ります。IPTC が2019年春に約十数のサイトを調べた検証では、Flickr、Dropbox、OneDrive、Google Photos は元のファイルをそのまま通した一方、Facebook、Twitter、Pexels、Pixabay、Unsplash はダウンロードされたファイルからメタデータを取り除いていました。
ですから埋め込みメタデータは、自分のアーカイブやファイルとして納品するものについては長持ちするもの、写真がプラットフォームを通った時点では任意のもの、と考えてください。公開したくない座標があるなら、プラットフォーム任せにせず、アップロードの前に位置情報を削除してください。



